北アルプス裏銀座から笠ヶ岳大縦走 (スケッチ山旅) 
長野県大町~岐阜県上宝村
2004.7.26~31    S&T&A

7月26日
自宅5:30~北陸自動車道、富山IC~R41~R471~新穂高ロープウエー村営無料駐車場10:15~
JR松本直行バス13:40~15:40 松本駅16:05~JR信濃大町17:03
大町~七倉山荘 タクシー約30分位  
今年の夏山山行は長年構想を暖めていた裏銀座縦走から笠ヶ岳登頂です。
村営無料駐車場から500m程歩きバス停に着いた時8分遅れで10:20発のバスに乗れず、タクシーも
出払っていて13:40発松本直行便まで待ちました。もっとも予定より早く着いてしまったのですが。
バス、JR大糸線、七倉山荘までタクシーと乗り継ぎやっと今夜のお宿に到着です。素泊まりです。
  
7月27日
七倉山荘6:30~高瀬ダム6:45~ブナ立尾根取り付き7:15~烏帽子小屋12:05
七倉山荘からゲート開始6:30開門のタクシーで高瀬ダムまで。
高瀬ダムは大きく立派な所で標高もありタクシーを降りた時肌寒いくらい。
トンネルを抜け不動沢、濁沢の吊橋を渡りブナ立尾根取り付きに到着。
サアー!! ここから日本3大急登、別名あごだし急登と言われている急坂、12番の標識から始まりです。
登り始めは半端じゃない急登でパイプの付いた梯子が何個所もあり、数字標識が意外に励みになります。
50分登り10分休憩のパターンですが6番~5番がキツクここで大休止です。
4番を目指していましたが三角点を過ぎてもなく エ”??  突然3番です。思わず嬉しくて笑えてきました。
2番の頃には気も緩みリュックの重み(16k)で体が後ろに持っていかれそうでした。
しかし 最後まで急登でしたが烏帽子小屋には予定時間より早く着き、達成感で一杯です。
空身で烏帽子岳を行こうと歩いていると何人かの人が雷が鳴っているので戻って来たとの事。
連日北アルプスは雷被害があるので私達も小屋に戻りました。
昔からの山小屋風景を残している静かな所です。私達は一人素泊まり\5500です。
 
 烏帽子岳の向こうは立山と剣岳方面                槍が岳
7月28日
烏帽子小屋発6:00~三ツ岳~野口五郎岳山頂9:40~東沢乗越~水晶小屋13:00 水晶岳山頂15:00
三ツ岳2844.6m  野口五郎岳 2924.3m  水晶岳2986m
今日は快晴で風もなく素晴らしく、いい条件の縦走日です。
昨日の疲れからか三ッ岳までは息が切れそうでしたが回りの景色が徐々に見え出し北アルプス展望
ほしいままの大パノラマになり、身体も馴れ気分もアルプス満喫の醍醐味にひたってきました。
野口五郎小屋で私は水分補給(1リットル \200)で\500を払い再び縦走路に。
真砂岳を巻き鞍部から岩稜を越えれば東沢乗越です。この辺り崩壊の激しいやせた岩稜が続き
高度感はあるものの、水晶小屋が見えているのになかなか行程ははかどらず本当にキツク長かった。
ヘトヘトになって小屋前に着き今夜の素泊まりの予約をし、Tはバテたため小屋前でスケッチをしている
との事なのでSさんと空身で水晶岳山頂に向かいました。
始めは平行道ですが頂上直下は岩稜帯で三点支持の所もあってスリルが味わえます。
山頂近くの土は何だか光っているような(水晶かな?)感じです。
頂上からの展望は360度視界をさえぎるものがなく、北アルプスど真ん中に私が居ると思うと感動ものです。
夕食まで時間はたっぷりあるのでSさんと色々おしゃべりをしました。
小屋は避難小屋に近くて狭く定員20名位です。今日は23名で蒲団2枚に3人が寝られました。
何しろ狭いので夕食準備時、布団敷きの時は全員外で待機です。
風雨と雷の時はどうなるのか?と思うと今日は天気が安定していたので本当にラッキーでした。
私達も自炊なので大助かりしました。
 
 白い山頂の 野口五郎岳 方面                     真中は黒い水晶岳(黒岳)
7月29日
水晶小屋5:30~三俣山荘8:25着 発9:00~三俣蓮華岳別れ巻き道コース~双六小屋11:55
小屋を出る頃は強風でおまけにガスがかかって鷲羽岳経由の予定を黒部源流に行く事にしました。
このコースは水も豊富でお花畑が見事です。三俣山荘に再び登り返しここで天気情報を得る事にしました。
台風は太平洋高気圧が頑張っているので日本列島に近ずくのに足踏み状態らしい。
もちろん名物のケーキセットと紅茶を頂きました。
本当に美味しくウッデイな喫茶室で山の中とは思えませんでした。
ガスがかかり風が吹いてきたので三俣蓮華岳に行かずマタマタ巻き道を行き、花の山旅にふさわしく今が
盛りの高山植物に出会え気持ちが豊かになり少々天気が悪くても気になりませんでした。
双六小屋は王国だけあって敷地は広く建物は立派で水も豊富です。
予定通り今日はここに素泊まりです。広い部屋でひと寝入りして外を見ると雨が降り風が吹いていました。
自炊室は私達だけで今回の山旅で素泊まりの人には出会いません。
 
 黒部源流 正面は三俣蓮華岳                    弓折岳稜線
7月30日
双六小屋5:35~秩父平9:10~笠ヶ岳山荘       山頂12:35
弓折岳 2588.4m 笠ヶ岳 2897.5m
何と昨日の雨がうそのように晴れあがりすっきりとして空気も凛としています。
小屋から今日の目的地笠が岳が遠くに望め本当に歩けるのかな?チョト心配です。
稜線は思っていた以上に花が咲き乱れ槍や穂高を右に薬師や黒部五郎は左に遠く白山が望めます。
行き交う人も多く人気のコースのようです。
弓折岳を経て秩父平は広く小休止にはいい所です。
ここから荒れた急坂をリズムを取るようにしてイッキに登ると笠ヶ岳が急に近くに見えてきました。
が、、、、そんなに甘くはありませんでした。
笠ヶ岳がだんだん大迫力で迫ってくるようで気分は疲れを吹き飛ばす感じです。
小屋に1泊2食の予約をして空身で山頂に。
15分くらいで播隆上人が開山した祠がある所から少し行くと三角点のある山頂です。
暖かい日差しは長かった山行の最後にふさわしく誉めてくれているように思え、ごろりと横になりました。
眼下にバスターミナルにある村営の建物がはっきり見えました。
山荘は新しく建て替えられてピッカッピカで、おまけにォ―ナーの巧みな話術は楽しく笑っちゃいました。
山荘前の望遠鏡は今夜の宿泊者確認用で小屋の従業員が覗いてる姿はなぜかユーモアがあって、
この小屋の雰囲気が伝わってくるようです。
今夜は久しぶりにまともな食事にありつきました。
 
弓折岳                                  ロックガーデンの登山道
7月31日
山荘5:35~笠新道~杓子平~笠新道入り口林道出会い12:30~バス停所13・30
今日もいい天気。以前の笠新道は通行止めのようで抜戸岳山頂近くから下山開始。
落差の大きい岩場や砂礫の道を慎重に行き杓子平に降ります。
ここからつづら降りの急峻な下りが続きお花が咲いているものの日差しが暑く登りは大変なようですが
下りも嫌な道です。何回も休みを入れながら林道に出た時下手ってしまいました。
しかし広い林道は足元の心配をしなくていいのですがここでなぜか足の裏が痛くなってきました。
(振り返ると遠く笠ヶ岳)
今回の山旅はロングコースで歩けるかな?と心配でしたが何とか行け本当に満足でした。
何時もお世話になっているSさんとTに感謝です。
バスプール横の村営の無料温泉で汗を流し村営の食堂でお蕎麦を頂き、だんだん山ン姥から
淑女に変身です。

出会った人 本当に大勢の人でつね日頃静かな山を歩いている私には晴れがましい所でした
        年配のグループ(男性の宴会は楽しそう)や女性のグループ(おしゃべりが楽しそう)
        出会った鳥 ライチョウ(ツガイ) アマツバメ イワヒバリ ウグイス メボソムシクイ
出会った花 あまりにも多すぎて今回は省きます


Tのスケッチコーナー

雨水の貯水用のドラム缶が並ぶ烏帽子小屋(2泊目)尾根にある山小屋では水の確保が大変

烏帽子小屋から1時間ほどで突然槍が姿を現す。後方に前穂も見えている。
この時水も飲まず、甘い物も摂らず休憩するのも忘れてスケッチ。
これでペースを崩してしまい、その上風邪が完治しないまま来たので鼻水たらしながらの
尾根歩きでバテバテに。

水晶小屋(3泊目)は狭小な為食事まで中に入れてもらえない 外で時間をつぶす
小屋に着いての冷たいビール 至福の時間のはずが
軽い頭痛の為、ここでもビールに手が出ない。スケッチするのみ。

水晶小屋近くから槍ヶ岳を望む

赤牛岳へ行くのは行程が長く大変 眺めるのみ 見事な入道雲が現れる  下界のスモッグを通してみる
空の色とは違い空の青が素晴らしい 少年の日の空の色

後ろに見える水晶岳から戻って来たS(左)とA(右) ビールとジュースで話し込む 恋愛問題か?
水晶岳は水晶が沢山出るらしい Sさんも極小水晶?を記念に採取  SさんからA(緑帽子)
の方が可愛く描いてあるとクレーム 家内安全の為にはネ (やむをえない処置である旨回答済み)

双六小屋(4泊目)受付風景 台風は高気圧に押され停滞しているよう
太平洋高気圧にもっと頑張るよう声援を送る これが効いたのかこの後台風は紀伊半島沖へ

双六小屋談話室は裏銀座の飲み屋?手前の縞模様の服でビールを前にメモしているのがA
後が怖いので美形に描こうとしたが、右手に拒絶反応が (右手は正直?)

益々盛りあがる談話室 さすが裏銀座 生ビール1杯1000円 高いか安いか
それにしても風邪気味で 生ビールを目の前にただスケッチのみ
スケッチの後缶ビールを飲んだが得られたのは頭痛とは


双六小屋午後7時30分の就寝風景 殆どの人は蒲団に入っている この日は1人1枚で余裕 
枕は蒲団1枚につき2個置いてある左奥の夫婦は午後1時ごろから蒲団をかぶって寝ていた。
何もする事がないといっても ネエ 寝過ぎでは
  
笠ヶ岳小屋(5泊目)これが山小屋かと驚くほど立派 食事も豪華 後ろは笠ヶ岳頂上 
このスケッチをしている時は14C寒さに震えながら描く、体が冷え切り早々に切り上げて小屋へ。
槍・穂高を眺めながら食べるここのおでん(500円)は絶品 一度お試しあれ
 
客がやってくるのを偵察中の小屋のアルバイト 重要な任務  おでんを食べながら笠ヶ岳小屋テラスからみた穂高岳
この偵察を怠ると食事の準備に支障をきたすことになり、小屋も
客も大変な事になる。10m離れた厨房に無線で人数等を報告


笠ヶ岳山荘からの眺め 左黒部五郎岳 薬師岳 奥は立山 赤牛岳 水晶岳 鷲羽岳 中央の黒緑の台地は雲ノ平
雄大な眺めに思わず見開きでスケッチ

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