南アルプス最南 聖岳・光(テカリ)岳 
長野県、静岡県        2003.7.30~8.3     S&T&A
聖岳(3013m) 小聖岳(2662m) 南岳(2702m) 上河内岳(2803.3m) 茶臼岳(2604m)
仁田岳(2523.8m) 易老岳(2354m) イザルヶ岳(2540m) 光岳2591.1m) 

7月30日
堅田10:00
~彦根IC11:15~飯田IC13:30~下栗の里経由易老度15:30~聖光小屋16:15
7月29日に義母の100ケ日と納骨を済ませほっとしています。今年は梅雨がやっと2,3日前に明け夏山を行く時期を
ずらしたのは義母のおかげかなと思っています。
昨年は荒川三山と赤石岳でしたが南アルプスの良さをもっと知りたく聖岳から光岳縦走にしました.
Sさんと堅田で合流。中央道飯田ICから途中日本のチロルと言われている下栗の里を通りました。
日本のネパールと云う感じで、凄い斜面での畑作の生活は秘境そのものです。
村の人達の生活の厳しさに思いを馳せていると間もなく易老渡に到着、帰りのことを考慮して今回はここに駐車。
30分程の歩きで今夜泊りの今年5月に完成した聖光小屋です。整備されたキャンプ場と広い駐車場がありました。
7月31日
聖光小屋(便りが島)5:45~西沢度6:30~薊畑12:00~昼食~聖平小屋13:00
山行初日は雨上がりのさわやかな朝です。ヒルと熊と落石に注意のアドバイスを受け出発です。
西沢度の野猿は一昨日にワイヤーが切れ怪我人が出たのでワイヤーを新しく付け替えたとの事で、
安心して乗る事が出来ました。

♪ガチョウは川を渡ろとしたが水は満々渡れはしない♪ やむなく荷渡し用の野猿を使うことに そこで荷物に変身して渡ったのでした

無事対岸に着き、さてここからが登山開始です。
苔むした樹林
標高差1300mの樹林の道をひたすら登ります。
45分で5分休みエネルギー源や水分補給しつつ忍、忍の一字の登りが続きます。
標高1900mを過ぎ苔平辺りからは穏やかな道になり薊畑分岐でランチタイム。
南アルプスの山並みを眺めながらおにぎりをほうばると、苦しかった道のりを忘れさせてくれる景色が目の前にありました。

薊畑より南岳 薊畑から聖平小屋へ 聖平小屋近辺

私とSさんは先に聖平小屋に行きTはスッケチを楽しんでいました。
今夜は素泊まりで寝袋を借りるので旧小屋泊になり、私達3人と御夫婦と男性1人の6人で広い小屋使用です。
小屋の中は火を使用でき、水場は目の前、トイレは少し下がった所です。
8月1日
聖平小屋5:25~薊畑5:40~聖岳8:00~薊畑9:30~聖平分岐9:45 発10:00~南岳12:00~上河内岳13:20
発13:40~茶臼岳分岐15:00~茶臼小屋15:15
朝方寒くて(新小屋の方も)震えて寝られませんでした。
聖平分岐にリュックをデポして、空身で聖岳へ。この辺りは木道がひいてあって倒木と苔で独特の景色です。
樹林の中を高度を上げて朝陽が差していますがすぐにガスがかかって遠くのほうはいまいち見えません。
小聖岳の辺りでダケカンバの林からハイマツ帯になりガレ場の縁で痩せ尾根になり、砂礫や浮石が多く歩きにくい
急坂の大斜面を登ると聖岳頂上です。

小聖岳頂上より聖岳 聖岳(前聖岳)頂上 感激のあまり涙が・・・?

10人ほどの登山者も皆笑顔で大パノラマを楽しもうとガスの晴れるのを待ってますが残念です、何も見えませんでした。
きつい斜面を下り聖平分岐で重いリュックを担ぎ、一歩一歩亀の歩行の始まりです。
南岳手前の崩壊斜面は迫力がありました。頂上でパンと水でお腹を満たし、上河内岳へ重いリュックを背負い、登りに

こんなところでタイタニック(磔の刑?賛成)

入ります。分岐で一息入れ空身で頂上へ。何も見えずガスの中です。茶臼岳分岐を小屋へ300m下ると今日の泊小屋
がありました。素泊まりなので自炊室は簡単な青いシートで囲った小屋?の中でしました。
こんな所であこがれのホームレスを体験できるなんて!! 
しかし外はガスがかかり風も吹いていましたが中は暖かく私は一寝入りしてしまいました。
小屋はウッディ風で清潔な内装で満室に近く私達は上段でしたがここだけゆったりしていました。
最近はツアーが多く、室内は賑やかなおしゃべりがありました。
8月2日
茶臼小屋6:30~茶臼岳7:05~喜望峰デポ~仁田岳7:55~喜望峰発8:30~易老岳10:15~昼食~イザルヶ岳
~光小屋14:00
今日の行程はゆったりなのでお花を眺めながらの山行です。
茶臼岳頂上のタカネイバラは今が見頃です。喜望峰に荷物を置き空身で仁田岳へ。

出発を前に茶臼小屋の前で タカネイバラ

小屋のおじさんと遭い缶ビール入りのビニール袋を持って仁田岳へハイキングだそうです。
途中ゴミを拾いながら休憩時間を有効に使っておられるようです。
易老岳はシラビソの樹林の中で錆びた古い標識と三角点があるだけでした。
三吉平を過ぎ涸れた沢筋でランチタイム。ラーメンを食べゆっくりしていると今朝小屋で一緒だった人と遭いました、
光岳往復の北海道からのツアーの人達が光岳を登り茶臼小屋までひき返す途中との事でした。
私にはとても無理な行程です。少し登ると水場がありました。
ここでたっぷり水を補給し、イザルヶ岳には再び空身で・・・・・360度の展望を期待しましたが何も見えず残念。
静高平の木道を行くとやっと小屋が見えほっとしました。

小屋に素泊の予約をして、早速ビール片手に光岳へ。
樹林の中の頂上でSさんと思わず握手。

南アルプスの2500m以上の山はここで終わり。
光岳はライチョウやかってはハイマツの南限の山としても知られた山です。
光岳の名の由来ともなった光り輝くといわれているテカリ石は少し下がったところにありました。
テカリ石の上で
石の上で太陽を浴び深山を堪能しよくぞここまで来れたなーとSさんとお互いを誉めあいました。
こんなおばさん達でも登れるのは現在の交通事情や山小屋の整備のおかげです。
しかしビールを飲んでしまったので小屋までの帰りの登りはつらいものがありました。
小屋の中は木の香りが漂い新しくてきれいな食堂での自炊は食事時間を除いて自由でした。
ほとんどの人達は自炊です。トイレはバイオ使用で熱が必要なため、発電している時間帯のみ使用可でした。
(午前・午後とも4:30~7:30)夜の消灯は19:30です。日本一早い消灯です。
窓から見える月と星がきれいでした。そして私達は日本一早く就寝したのでした。
翌朝4:00点灯までしっかり寝ました。
8月3日
光小屋5:00~水場5:30~易老岳分岐~易老渡11:15   
今日は山に入って4日目、最終日です。4時起床。朝食を済ませ小屋から15分程行った水場で顔を洗い出発です。
センジガ原の木道
荷物は軽くなっているはずなのに身体が重くて初日と重さが変わらない感じです。
易老岳分岐で同じ方向に下山する登山者とおしゃべりして一息入れました。
さあ、ここからは標高差1500mの長くそして素晴らしく急な下りが待っています。ひたすら忍!忍!です。
つま先がしびれ膝がガクガク・・*?・・*+?。 やっと易老渡の駐車場へ。
皆が無事に怪我も無く山行が終わり良かった良かった。
R152沿いの「かぐらの湯」で人間らしい装いになり、食事とお土産を買い一路天龍村経由で飯田I.Cへ。
彦根I.Cで降り大中干拓地恒例のスイカを買い自宅へ。

 記録:S  絵:T  文責:A
反省  今回は雨にも遭わずまずまずの山行でした。富士山は最後の日に一瞬見えましたが曇の中でした。
     しかし出会った人達のレベルの高さに脱帽です。山は自分のレベルで楽しんでこそ良いものだな~~
     としみじみと思いました。

出会った人    多くてカウントできませんでした
出会った生き物   ライチョウ イワヒバリ カヤクグリ メボソムシクイ ウグイス コマドリ
            アサキマダラ  ヒオドシチョウ  リス
出会った花    ハクサンシャクナゲ キバナシャクナゲ アオノツガサクラ タカネイバラ ミヤマダイコンソウ
           イワキキョウ チシマキキョウ ハクサンチドリ ツマトリソウ ゴゼンタチバナ ギョウジャニンニク
           バイケイソウ コイワカガミ ハクサンフウロ グンナイフウロ アザミ マルバダケブキ
           タカネスミレ ミネウスユキソウ ミヤマムラサキ イワオトギリ オオバグサ カラマツソウ
           ミヤマツメクサ イワツメグサ オタカラコウ イワオウギ ミヤマキンポウゲ ナナカマド
           イワベンケイ シナノキンバイ クルマユリ コバノコゴエグサ トモエシオガマ ヨツバシオガマ
           イブキトラニオ シャクジョウソウ ギンリョウソウ ヤマブキショウマ タケニグサ

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