八丁平(鯖街道をチョット行く)   
  京都市左京区久多  2001,5,5  曇り    T&K  

久多林道入り口9:20~八丁平11:30着(昼食)13:00発~林道入り口14:20

曇り空の下、鯖(さば)街道といわれる若狭から京への道(オグロ坂)をチョット歩いて久多から八丁平に行き
ました。
昔の人が日本海で採れた鯖を背負い若狭から京の出町まで運んだといわれる鯖街道は重い荷を背負って
歩くのに適した勾配で道がつけられている。若狭を出た塩漬けにされた鯖が京の出町に着く頃には丁度い
い塩梅(あんばい)になっていたと言います。
山で暮らす人や山を利用する人がつけた道は本当に歩き易く
疲れない様につけられていると思いました。
この道は勾配が緩やかなせいか途中でランニングしてくる人に出会ったのには少々驚かされました。
山に来て花にも目をくれず、鳥の囀り(さえずり)にも耳を傾けず走り抜ける人もいるものだと、思いましたが
街の排気ガスの中をランニングするよりは遥かに良いとも思いました。人それぞれに人生を走り抜けたり
歩きぬいたり、転げ落ちたりするものだとしばし人生論的思考に浸りながら歩きました。
植林帯を過ぎ、コナラやミズナラの雑木林に入ると、鬱陶しい杉の暗い緑から鮮やかなしかし優しい緑に変
わりました。
峠近くでは芽吹き始めたばかりの木にゴジュウガラが木の幹を上手に歩いているのを見られ、また曇天のせいか意外に多くの野鳥の声を楽しむ事が出来ました。
八丁平は連休中にもかかわらず人も少なく、静かな山歩きが楽しめました。
同行のk氏にヤブサメが鳴いていると教えられ、声を聞こうと息をこらし、耳を澄ましてみても聞こえませんで
した。鳴声とはあまり関係のない大型の鳥に鞍替えしなくてはと思いました。
この山は思ったより花は少なく、例年の連休の山行の中では一番花の少ない山行きになりました。

頂オグロ坂新緑 オグロ坂峠近く

帰りは、膝の痛みにも襲われることも無く、昔の人がつけた道は偉いと再度思いながら、途中で休憩を取る
こともなく
1時間20分位で林道入り口に着きました。
今回は探鳥会のような山行きでしたが、そう言えば八丁平は京都野鳥の会の例会がたびたび開かれて
る所でした。

青峠   八丁平

写真は曇天のせいかくすんだ生気のない写真になってしまいました。

(追記)
今年の4月20日の祭りにと用意した塩鯖を解凍の為にテーブルに出しておいたら近所の猫が2匹の鯖の
うち高いほうの鯖(1450円)を盗んでいきました。翌日、鯖を盗ったと思われるその猫はこちらの姿を見ると大急ぎで逃げていきました。悪いことをした、恥ずかしい事をしたと反省しての行動の様に見えました。
猫にも道徳心はあるようだと思い、ついでに漱石の猫を思い出したりしました。猫はなかなか賢い。
しかし、あの鯖を1人(一匹)で食べきれなかったのではないかしらなどと、鯖の行く末を思ったリしました。
猫の方がその日はお祭り騒ぎをしていたのではないかしらと思うと思わず口元が緩みました。
残った安い方の塩鯖を使い何とか鯖寿しが出来たので、これからは猫を見たら泥棒と思って、戸締りには
気をつけようと家族で話し合いました。祭りの当日鯖寿しや巻寿しなどをテーブルに並べておきました。
さていよいよ待望の鯖寿しを食べようとテーブルを見ると、鯖の乗っていない崩れた鯖寿しがありました。
また、あの猫が鯖だけ盗んでいったのでした。猫はこちらを油断させた上まんまと鯖をせしめたのでした。
猫はズル賢いと思いました。と言う訳で今年の祭りには鯖寿しは食べられませんでした。
2日続けて鯖を盗まれてしまい、そして何時(いつ)盗まれたのかも分かりませんでしたので、魚をくわえた猫
を追っかけているサザエさんは偉いと思いました。昔の人は偉い。
今後はテレビのサザエさんを見て笑っていられないと思いながら、鯖街道を歩きました。
  (T)

出会った人 8人
出会った鳥 ツツドリ コガラ ヒガラ シジュウガラ ゴジュウガラ ミソサザイ カケス オオルリ ウグイス
        キビタキ エナガ コルリ アカゲラ クロツグミ センダイムシクイ ヤブサメ メボソムシクイ
出会った花 チゴユリ イカリソウ オオカメノキ スミレ(3種)  
                          

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