芦生の森にて 
滋賀県高島市生杉    2006.    T&A

林道休憩所8:00~杉尾峠~林道休憩所前12:20

雨の降る森はとても素敵です。
もちろん、晴れている日や曇りの日だって、森はそれぞれに素敵な姿を見せてくれます。
でも、ひとたび雨が森を包み込んでゆくと、森はいろんな気配に満ちてゆきます。  
歩きはじめるまでは、雨に濡れることや、寒いことや、いろいろと憂鬱な気分にもなったりします。
でも、ひとたび森の中を歩きはじめれば、雨に濡れた森の姿はとても生き生きとして、そこら中に
満ちている輝きの一つ一つから眼がはなせなくなってゆきます。                       
                                        細川 剛著「雨の降るブナの森」

という訳で芦生の森を訪れるのは雨の日にしようと決めていたのですが、半日閑が出来たので
ランチの用意もせずにうす曇の中、森に向かいました。

6月に入ると何故か芦生演習林のアカショウビンに会いたくなると言ってもまだ一度も
姿を見た事がなく声を聞くのみ。
野鳥観察は知人に連れられここからが始めの一歩でした。
夜通し中鳴いていたトラツグミの悲しげな声は忘れられません。
そうここは自然が一杯の貴重な原生林は野鳥達の天国&宝庫でもあるのです。
   
梅雨入り前の乾燥した空気は木陰の下を歩くには快適で、子育てに忙しい鳥達もよく鳴いてくれました。
早朝のはずが少し遅めの出発なので期待していませんでしたが思っている以上に聞くことが出来ました。
10年ほど前までは入山しても人に会うことがなかった森も今や人に会わないほうが珍しい位です。
少しずつ明るい森に変わって来ているのは倒木も多くなって、樹木の交代時代に入ってきているのかな。
上谷の最初の小さな池は干上がり次の池は半分くらいになっていて、少し様子を見ていましたが無理の
よう、今年もアカショウビンの姿を見る事が出来ませんでした。
この中間の広い処で休んでいると鳥達の動きが良く見え、癒しの空間に入り込み、森の番人フンババの
世界になりました。

杉尾峠まで歩き何の標識もなかった所も今は色々あってにぎやかになっていました。
元の道を戻る時アカショウビンの心を締め付けられるような悲しげではかない鳴く声が・・・・
ねばって姿を見ようとしましたが駄目のようで、又来年来ましょ!!
リスが目の前を横切って行き、みるみるうちに斜面の倒木を駆け上がり姿を消しました。
神社前ではゴジュウガラが杉の幹をさかさまに下りてくるのに出会い、最後は地面に下りて何かを
捜しているようでした。
トラツグミ(別名ヌエ)の悲しげなはかない声とオオルリの派手に自分をアピールする声が何時までも耳に
残り、芦生の森バードウオッチングのウオークを楽しみました。

追伸
知人k氏からの報告のよると7日に野田畑から上谷へ少し行った所で大人の熊に遭遇。
熊との距離10m位で、「ウオー」と声を出したのでそのまま友人は引き返したそうです。
この辺りには熊が出没するようなので入山の際は気をつけてくださいね。

現在、地蔵峠・三国峠からの入山は禁止されています。
京大当局は美山町側からの大量のツアー客の入山は認めています。
滋賀県側だけを規制しても駄目なので、この際、10年とか期限を限って全面入山
禁止にすべきだと思います。大好きな芦生の森の再生を願いながら。

出会った人   5人
出会った花   ギンリョウソウ コケイラン タニウツギ アシュウテンナンショウ キリの花 栃の木の花
          藤の花 ヤブデマリ フタリシズカ
出会った動物  リス
出会った鳥   オオルリ ミソサザイ キセキレイ ホトトギス アカショウビン ジュウイチ キバシリ
          アオゲラ イカル エナガ トラツグミ カケス マミジロ ゴジュウガラ コノハズク
          センダイムシクイ ホオジロ ヒヨドリ キビタキ キジバト ヒヨドリ ヒガラ

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